はじめてくうきにふれた日

2006年9月7日午後8時5分、49.9cm、2442g。36週と1日、低出生体重時。
実はその日は、出産前の最後の健診日でした。逆子がどうにもなおらず、予定帝王切開が9月15日に決定していたのでした。その前週の7日、私は健診のためにいつものようにバスに乗って病院へと向かったのでした。
前日、なぜか大量の鍋を摂取していた私は、胃もたれでとても食事をする気にはなれず、ちょうど血液検査のために昼食は抜いてきてくれと言われていたのでまぁいいか、と何も食べずに病院へ。普通に健診するつもりがなんと陣痛が来ていると。そういやちょこちょこ今日はお腹が張りやすいかな?と思ったような気がしないでもない。
確か1時半とか2時からの健診だったと思う。で、3時くらいには本日決行、と言われたんじゃなかったっけ。先生曰く、これが逆子じゃなかったら一回家に帰って荷物取ってきてねってな感じらしいんだけど、逆子なので途中で破水したらダイレクトに赤ちゃんと母体の命に関わってくるので帰してもらえませんでした。
うそーん、来週だと思ってたいして用意なんてしてねーよー、って感じだったのですが急いで家族中に連絡。レントゲン撮ったりなんか検査したり麻酔科の人に説明受けたり怒濤のように時間は過ぎて手術台へ。確か午後7時くらい。友人各位にメールしたり、あっちのブログにエントリあげたりする余裕はあったんですが、というかそうでもしてなかったら自分の間が持たなかったんじゃないか。子のためとはいえ、ざっくり自分の腹を切るんだからねぇ。そんな思いとは裏腹に、7時を過ぎて家族に見送られつつ陣痛がそこそこに来始めた腹を抱え、手術室までベッド搬送。ベッドに乗りながらエレベーターも乗ったよー。完全な患者状態。いや、患者だけど。
しかしそこからは早かった。7時過ぎに出術室→麻酔→切開→おんぎゃー「女の子ですよー!」みたいな感じ。いや、マジに。麻酔っていっても帝王切開は腹部のみの部分麻酔ですから、ぐいぐいとなんか腹引っ張られているうちに終わってしまった。帝王切開を見たことある人からすると、本当にあっという間の出来事らしい*1。出生時間午後8時5分ですから、手術室ついてからものの40分程度ということですね。
おんぎゃーと泣く我が子。柄にもなく、その声を聞いて号泣してしまったんですよね。いやぁ、羊水でべたべただし目は開いてないし小さいし細いし赤いし、なかなか未知の生物っぷりを発揮していましたけれど、しっかりと手を動かしながら元気に泣いていましてねぇ。その動いている手や腕を見て、あぁあんな小さくてもちゃんと生きて育ってくれていたのだと感動したのです。
だって、毎月毎週と、病院でエコーを見せてもらっていても、直接その動いている姿を目にし触っていたわけではありませんからね。もちろん元気な胎動も感じていましたけれど、百聞は一見にしかずというか。もしかしたら、元気じゃなかったかもしれないじゃないですか!こっちも命がけですから、赤ちゃんはもっと命張って生まれてくるわけです。途中で何かあるかもしれないし、もしかしたら何か重大な病気を持って生まれてくるかもしれない。特に帝王切開までしちゃってますから、とにかく色々と不安だったわけです。
でも、彼女は元気よく生まれてきてくれたんですねぇ。本当に、それだけは心強くそして自慢でもあります。振り返ればこの1年間、彼女はほとんど病気をしていないんですね。生まれてすぐの1ヶ月間は、ほとんど寝てばっかりできっちり2〜3時間おきに母乳を求めて起きる以外はほとんど寝てた。しかも起きて泣くわけじゃなく、ハフハフと口を動かし始めるんですね。そしたら母乳を飲ます→また就寝、みたいな。
産んだ日が36週に入った日ですから*2、一応早産にはならなかったにしてもちょっと早かったのか小さくて、助産士さんたちはちゃんとうまく母乳を飲めるかということが心配だったようなんですけども*3、ごくごくと飲むのも上手な子でした。そんであとは寝てばっかり。沐浴中にも寝るような子だったので、なんと育てやすいことでしょう。母子同室で、他の赤ちゃんたちは1時間おきに泣いて仕方がなかったりとか、うまく母乳が飲めないだとか、そんな子たちばっかりだったので、巡回してきた小児科医に「…泣かないんですけど大丈夫ですか?」と聞いてしまったりしていた*4
そんな感じの新生児期を経て、どんどんと大きくなる彼女。最初は小さいから心配だったのが、3ヶ月くらいだったかな、あっという間に成長曲線の上部へ。それから今日まで全く体重の増えには心配がありません。離乳食もよく食べるし、夜も泣かない。まぁ、どんくさいのか寝返りやハイハイをし出すのがちょっと遅かった気もしますが、どこも心配が無いですね。まぁこんなもんだろうと毎日思っております。
ほんと、過ぎてみれば本当に早いです。でもなんていうかな、何も無く早いわけじゃないので充実感があります。私の母親にとっても、今年姉が30になったので30年間あっという間だったようですが、何もなくあっという間ではなかったよと言います。年を取れば絶対時の流れは早くなりますからね。でも何も無くただ過ぎていった訳じゃないから楽しい。もっと毎日をきちんと生きなきゃって思える。
さて、今日から新しく1歳児の幕開けです。これからどんな風に大きくなっていくのかな。まだ見ぬ未来が、たくさん待っていてくれています。

*1:知り合いに3人ほど見たことがある人がいた

*2:普通、予定日は40週です

*3:ちゃんと飲ませてあげないとおっぱいからの飲み方忘れちゃうから!と言っていた

*4:軽く返答に困っていた